原発再稼働で注目される電力・原子力関連銘柄10選 — 政策が後押しするテーマ

原子力発電所と冷却塔 — エネルギー安全保障の中核インフラ
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この記事でわかること - 日本のエネルギー政策が大転換している背景 - 原発再稼働の恩恵を受ける4つのレイヤー - 電力会社・プラント・部材・SMRの注目10銘柄 - 原発関連株のリスクと向き合い方 - 高配当と成長を両立する組み合わせ方

エネルギー安全保障が国家戦略の中心テーマになっている。中東リスク、ウクライナ、円安、脱炭素 — どの要素を取っても、日本にとって「自前のエネルギー源」を増やす必要性が増している。

その答えのひとつが原発再稼働と次世代炉(SMR)だ。高市政権の方針もここに沿っており、向こう10年で電力・原子力関連サプライチェーンに巨額の資金が流れる構造が見えている。

この記事では、原発再稼働とエネルギートランジションの恩恵が期待される注目10銘柄を解説する。


日本のエネルギー政策が大転換している理由

福島事故以降の「原発忌避」から「現実的な活用」へ

福島第一原発事故から長く続いた原発忌避ムードは、近年大きく変化している。背景には次の要因がある。

  1. 燃料費高騰: LNG・石炭の輸入コストが膨張、電力会社の収益を圧迫
  2. CO2削減目標: 火力比率を下げないと脱炭素目標が達成できない
  3. エネルギー安全保障: ロシア・中東リスクで化石燃料依存を減らしたい
  4. 電力需要の構造的増加: AI データセンター、EV、産業の電化

これらすべてを満たす現実的な解として、「安全性を最大限担保したうえでの原発再稼働」が政策の中心に戻ってきた。

高市政権の原発・SMR政策

  • 既存炉の再稼働を最大限後押し
  • 次世代炉(SMR・革新炉)の研究開発・実証加速
  • 廃炉ビジネスの輸出産業化
  • 核燃料サイクル維持

これらすべてに関連する企業群が、株式市場で「原発関連」「次世代エネルギー関連」として再評価されている。


原発再稼働の恩恵を受ける4つのレイヤー

① 電力会社(最も直接的)

原発を保有する電力会社が、再稼働で燃料費を削減し、利益を回復させる。

② プラントエンジニアリング

原発の再稼働・新設・廃炉に関わるエンジニアリング会社。

③ 部材・機器メーカー

原発に使われる特殊鋼、ポンプ、計装機器、放射線関連機器など。

④ 次世代炉・SMR・関連技術

ウラン濃縮、燃料サイクル、SMR の研究開発に関わる企業。


高圧送電線と鉄塔 — 原発再稼働で動く電力インフラ 画像: Pexels

注目銘柄10選 — 業績・株価・リスク

⚠️ 株価・PER・配当などは執筆時点の情報。


電力会社

1. 関西電力 (9503)

  • ビジネスモデル: 原発比率が国内電力会社で最も高い。原発再稼働の最大受益者。
  • 業績の方向性: 原発稼働率向上 → 燃料費削減 → 大幅増益。配当復活基調。
  • 株価の所感: 「原発 + 増配」のロジックで電力株のリーダー格。
  • リスク: 安全規制強化、自然災害、再稼働遅延。

2. 九州電力 (9508)

  • ビジネスモデル: 玄海・川内原発を保有、原発稼働率が高い。
  • 業績の方向性: 安定的な原発運転、再エネ事業も育成中。
  • 株価の所感: 高配当銘柄として安定したファンが多い。
  • リスク: 九州地区の経済停滞、規制リスク。

3. 四国電力 (9507)

  • ビジネスモデル: 伊方原発を保有、原発稼働で収益安定。
  • 業績の方向性: 規模は小さいが原発比率が高く、利益の安定性が魅力。
  • 株価の所感: 高配当 + 安定性で長期投資家からの支持あり。
  • リスク: 地域経済の停滞、四国の電力需要構造的減少。

プラントエンジニアリング

4. 日揮ホールディングス (1963)

  • ビジネスモデル: LNG・水素・アンモニア・原子力など総合エンジニアリングのトップ。
  • 業績の方向性: エネルギー転換の全方位で恩恵を受ける構造。
  • 株価の所感: 安定配当 + 中長期成長テーマ性。
  • リスク: 大型案件の損失計上リスク、人材確保。

5. 千代田化工建設 (6366)

  • ビジネスモデル: LNGプラントで世界有数、水素プラントにも展開。
  • 業績の方向性: 過去の大型損失から立て直し、受注は復調。
  • 株価の所感: 業績回復局面でのアップサイド期待。
  • リスク: 過去の損失トラウマ、案件採算性。

部材・機器メーカー

6. 三菱重工業 (7011)

  • ビジネスモデル: 原発・SMRの主要メーカー。防衛・エネルギー両方の国策テーマに合致。
  • 業績の方向性: 国内外の原発・SMR需要を受ける構造。
  • 株価の所感: 既に高値圏だが、防衛 × エネルギーの二刀流で長期保有妙味。
  • リスク: 大型案件損失、原発トラブル。

7. 日立製作所 (6501)

  • ビジネスモデル: 原子力プラント、SMR、送配電インフラの世界的プレイヤー。
  • 業績の方向性: ITサービスとエネルギーの両輪で安定成長。
  • 株価の所感: 構造改革で利益率が改善、株価も上昇基調。
  • リスク: 海外原発プロジェクトの不確実性、為替変動。

8. 日本製鋼所 (5631)

  • ビジネスモデル: 原子炉圧力容器など大型鍛造品で世界トップクラスのシェア。素形材・産業機械・成形機、防衛(火砲)も展開。
  • 業績の方向性: 原発再稼働・新設・SMR で大型鍛造品の需要が回復基調。防衛事業の収益貢献も拡大。
  • 株価の所感: 「原子力ルネサンス × 防衛」の二面性でテーマ性が高く、再評価が進みやすい。
  • リスク: 大型案件の受注変動、原発政策の転換、過去の品質管理問題の再発懸念。

燃料サイクル・SMR

9. 太平洋セメント (5233)

  • ビジネスモデル: セメント大手、廃炉時の放射性廃棄物固型化など原子力周辺事業も。
  • 業績の方向性: 建設需要と原子力廃炉処理の両方で恩恵。
  • 株価の所感: 地味だが堅実なバリュー株。
  • リスク: セメント市況、CO2規制。

10. 木村化工機 (6378)

  • ビジネスモデル: 化学プラント・原子力関連機器メーカー、ニッチで強み。
  • 業績の方向性: 原子力廃炉・新設の長期需要を受ける。
  • 株価の所感: 小型株でボラあり、テーマ性で短期上下動。
  • リスク: 規模が小さいぶん業績変動が大きい。

原発関連株のリスクと向き合い方

1. 規制・政治リスク

原発は政治と規制に強く左右される。原子力規制委員会の判断、選挙結果、政権交代で再稼働ペースが変わる。「政策が180度変わるリスク」を常に意識しておく必要がある。

2. 自然災害・事故リスク

原発事故は一度起きれば株価が長期間低迷する。1銘柄に集中投資せず、電力 + プラント + 部材で分散するのが現実的だ。

3. 既に上昇した銘柄を高値で買うリスク

原発関連株は、ここ数年で既に大きく上昇している。飛びつき買いではなく、調整局面での分割エントリーを基本にしたい。


高配当と成長を両立する組み合わせ方

原発関連は「高配当の電力 + 成長性のあるプラント/部材」を組み合わせるのが王道だ。

配当狙い(インカム重視)

  • 関西電力、九州電力、四国電力
  • 配当利回りで3〜5%程度を狙える銘柄群

成長狙い(キャピタル重視)

  • 三菱重工、日立製作所、日揮HD
  • SMR・新設・廃炉ビジネスの長期成長を取りに行く

両方を組み合わせれば、「配当でじわじわ稼ぎながら、テーマ株でアップサイドを狙う」二段構えのポートフォリオが組める。


まとめ

  • エネルギー安全保障 × 脱炭素 × 電力需要増の三重要因で原発再稼働は構造的テーマ
  • 電力会社・プラント・部材・SMRの4レイヤーで投資機会が広がる
  • 高配当の電力 + 成長のプラント/部材という組み合わせが王道
  • 規制・事故リスクへの分散は必須
  • 「政策が変わるリスク」を常に意識する

エネルギー問題は、向こう20年の日本経済の最大級テーマだ。短期の値動きより、構造的な追い風を信じて長期保有できる銘柄を選びたい。


よくある質問(FAQ)

Q1. 原発関連株はもう買い遅れですか? A. 既に上昇した銘柄も多いですが、再稼働の進捗とSMRの実証が進めば、まだアップサイドの余地は残っています。分割エントリーが現実的です。

Q2. 電力株の配当は安全ですか? A. 過去には事故・自然災害で減配・無配になった事例があります。配当利回りだけでなく、原発稼働率と財務体質を確認してください。

Q3. SMRはいつ実用化されますか? A. 2030年代前半が現実的な目標とされています。実用化までの期間で関連企業の業績がどう推移するかを見極める必要があります。

Q4. 廃炉ビジネスは儲かりますか? A. 廃炉は数十年規模の長期事業で、安定収益が見込まれます。三菱重工・日立・日揮など大手が手がけており、構造的な追い風です。

Q5. 再生エネルギー関連と組み合わせるべきですか? A. はい。原発再稼働と再エネは「対立」ではなく「補完」関係です。両方を組み合わせることで、エネルギー転換テーマを総合的に取り込めます。


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免責事項

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。記載内容は執筆時点の情報に基づいており、将来の運用成果を保証するものではありません。

最終更新: 2026-05-13 執筆: かぶHUNT編集部